11月11日「介護の日」にちなみ、なら介護の日では介護について理解と認識を深める活動・イベントを行っております。

ごあいさつ

奈良介護の日実行委員長  村上 良雄
 

 約462万人の人が認知症と推計されたといいます。あまりにも大きな数字で驚かされました。昨年(2013年)厚生労働省の研究班が発表したもので、全国8市町で聞き取り調査や医師の診断データを分析して認知症の人の割合を15%と推計し、2012年時点の65歳以上の高齢者数3079万人からはじき出された数字です。さらに軽度認知障害の人も約400万人と推計され、65歳以上の4人に1人が認知症とその“予備軍”となるというのです。

 でも、私たちはその数字に驚いてばかりはいられません。日常的に何らかのケアが必要な人たちとその家族を地域がどう支えていったらいいのか、智恵を出し合わなければなりません。医療や介護、福祉の制度を充実させることはもちろん必要ですが、それと同時に認知症などケアを必要とする高齢の人や障害のある人たちが身近な地域で生活していけるよう支え合う「ケアの文化」を育てていかなければなりません。

 ところで「介護」が語られるときには、どうしても介護保険などの制度やサービスにかかる多額の費用の話、対象者が増え続ける超高齢社会の到来といったマイナスのイメージにつながる話に陥りがちです。しかし、高齢の人たちと接することがマイナスであるはずがありません。一人ひとりが歩んでこられた歴史は先人としての智恵にあふれ、学ぶべきものがたくさんあるはずです。また、障害のある人たちに接すると、さまざまな分野の才能を潜在的にもっている人たちがたくさんいます。特にアートの世界で才能を発揮する障害のある人たちがたくさんいます。でも日常生活では何らかのケアが必要な人たちでもあります。

 こうした高齢の人や障害のある人たちのケアについて考える「なら介護の日」というイベントを開催するために私たちは集いました。「高齢者や障害者等に対する介護に関し、国民への啓発を重点的に実施するための日」として11月11日が「介護の日」とされたことを記念して行うものです。合言葉は『支え合いの地域づくり』です。ちょっとした気配りで、支えられる人の喜びが深まると同時に支える人の側にも喜びをもたらします。さらに介護する人を支えることによって周りの人たちにも喜びの輪が広がっていきます。介護を通して喜びが共有され、人びとの間に笑顔が増えれば、豊かに暮らせる地域社会づくりにつながります。

 このイベントは21の団体で構成する『奈良介護の日実行委員会』が主催します。福祉施設の団体、福祉専門職の団体、さまざまな分野の市民活動団体などが会議を重ね、力を合わせて開催するものです。奈良県も実行委員会の一員として加わっています。いわば新しいNPOと行政の協働のあり方を模索する取り組みでもあります。さらに趣旨に賛同する多くの団体に後援や協賛をしていただいています。この「なら介護の日」が奈良における新しいケアの文化を育み、支え合いの地域社会づくりを奈良から発信する催しとして定着することを願っています。