ごあいさつ
新型コロナウイルス感染症のこれまでで最大の波となった第7波もようやく収束に向かっているようです。これから本格的な冬を迎え、第8波への備えとさらにインフルエンザの流行にも気を配らなければならない時期となります。
こうした状況下でも、さらにウィズコロナの時代になっても、高齢の人たちや障害のある人たちの日常生活を支え続けている人たちに想いを馳せたいと思います。私たちは、どんなに高齢になっても、どんな障害があっても、人間として尊厳のある暮らしができる社会をめざさなければなりません。この社会にはさまざまな人たちがいて共に生きていることが認められる「共生」の論理と、その人たちの多様な生き方をお互いが受け入れる「寛容」の精神が今こそ求められています。
私たちは、家庭であれ地域であれ施設内であれ介護をする人、介護家族を支える人を応援したいと思います。その応援のメッセージを伝えるために11月11日の「介護の日」に合わせて記念イベントとして「なら介護の日」を開催してきました。
一昨年と昨年は、新型コロナウイルス感染拡大のため、対面での介護の日記念イベントは中止せざるを得ませんでした。今年は3年ぶりにここ「なら100年会館中ホール」でみなさんをお迎えして開催することができました。「奈良介護大賞2022」の受賞団体・個人のみなさん、「親守唄・歌会2022」の入選者のみなさんにもお越しいただきました。
さらに今回は、記念シンポジウム「何が起きていたのか?〜コロナ禍の奈良県のケアの現場で〜」を行います。さまざまなケアの現場で、新型コロナウイルスにどう立ち向かったのか、それぞれの体験・情報を持ち寄り、今後に備えるための議論にしたいと思います。
この運動は23の団体で構成する『奈良介護の日実行委員会』が主催しています。福祉施設の運営団体、福祉専門職の団体、さまざまな分野の市民活動団体などが会議を重ね、力を合わせて行うものです。奈良県も実行委員会の一員として加わっています。
今回久々の対面での記念イベント開催に当たり、準備に奔走していただいたみなさん、後援や協賛をいただいたみなさん、そして今日お越しいただいたみなさんに感謝するとともに、この「なら介護の日」の試みが新しいケアの文化を育み、支え合いの地域社会づくりを奈良から発信する運動として定着することを願っています。
2022年11月3日